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□ 創作小説 □

迷宮神話

こんばんは。今日は、深夜に描いた落書き二枚からほとんど即興で考えた短編を二編、アップしたいと思います。
タイトルは「リサイクル・スター」、「空想遊泳」。これら二つをまとめて「迷宮神話」と題し、ノベリストの方にもアップしておきました(リンクから飛べます)。

まず、深夜の落書き二つ。※クリックで拡大表示
「リサイクル・スター」↓  「空想遊泳」↓
リサイクル・スター 空想遊泳
どちらの絵も、1bitpaperというフリーソフトで描きました。落書きに丁度良いソフトなんです。
で、ノベリストの表紙として描いたものが↓です。
迷宮神話

なんというか……小説が即興なら表紙も即興、みたいな出来ですね(´д`;)すみません。

では、「迷宮神話」より「リサイクル・スター」と「空想遊泳」、二編続けてお読みください。
(通常ブログ画面では追記よりお読みいただけます)↓

迷宮神話

リサイクル・スター
 
 深い緑色の眼をした少年が、星の欠片を握り締めている。少年の前には、彼と同じ色の眼を持つ少女が立っている。二人は、爪先で器用にバランスをとりながら、色とりどりのガラス球の上を滑るように移動している最中だった。
 少女は立ち止まり、ふと一つのガラス球に眼を向けた。そして、ひょいと指先でそれをつまみ上げ、遠くに見える白い星の光に透かしてみた。
「これは、もうダメね」
 少女が呟くと、少年は首をかしげた。
「もう死んでしまったの?」
「似たようなもの」
 少年はそれを聞いて、持っている星の欠片を、ぎゅっと強く抱きしめる。少女はガラス球をつまむ指先に力を入れ、ぱりんとそれを割った。砕けたガラス球の破片は、少年が持っている星の欠片と同じように細かくなり、きらきらと無重力に流れていった。
「こうやって、使えなくなった星は砕いて再利用するのよ」
 少女はこともなげにそう言って、またガラス球の上を移動していく。少年は星の欠片が流れていった方角に眼を凝らしていたが、やがて少女の後を大人しくついていった。
 あとには、もの言わぬ天の川だけが残された。


空想遊泳
 
 くすくす、と少女の笑い声が響く。
 暗闇の中、一つの光がぽおっと灯った。少女の姿が、幻灯機に映し出されたように浮かび上がる。少女は髪の毛を二つ結びにし、男の子のような服装をしている。そして、大きな黒い瞳で全てを見回した。
 くすくす、と少女が笑った。幼い響きを持つ声が、果てない宇宙に吸い込まれる。
 少女を映し出した光は、気まぐれにその姿を変えた。時には小鳥のように少女の周りを飛び交い、時には猛獣のように少女を押し倒そうとした。少女はそのいずれにも嬉しそうな笑みを漏らすだけで、暗い空間を泳いでいく。
 少女を取り巻く空間には、巨大な亀が幾匹も生息していた。星星の陰から不意に姿を現すヤドカリもいる。少女は宇宙と同じ眼でそれらを見、包み込み、笑った。全ては彼女の想像の産物だった。だが、少女が自らを空想し始めた今となっては、想像と現実に境などなかった。全てが少女の手の中にあった。
 少女は歌った。聴く者の無い、純粋無比な歌を。
 少女はやがて、彼女の世界の中で唯一の光を手のひらに載せ、そのまま口元へ運んだ。光が彼女の小さな口の中に吸い込まれたとき、再び世界は暗闇で満たされた。
 何も見えない空間で、少女の笑い声だけが、絶えることなく響き続けた。
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Date:2011/04/10
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UserTag: 創作  短編小説  ノベリスト  *    少年  少女  迷宮神話  落書き 
Thema:オリジナル小説
Janre:小説・文学

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